この記事の結論
- 離檀料は、檀家をやめるときにお寺へ慣習的に渡すお礼で、法律上の支払義務はありません。
- 金額の目安は数万〜20万円程度とする解説が多いものの、明確な基準はなく、お寺との関係や地域によって異なります。
- 納得できない高額を求められたら、一人で抱え込まず、消費者ホットライン(188)や弁護士に相談しましょう。
お墓の場所・ご遺骨の数・改葬先の希望を伺えば、必要な手続きと費用の目安をお伝えできます。まずは30分の無料相談(事務所・ご自宅訪問・オンライン・お電話)をご利用ください。遠方のお墓も郵送で対応します。
離檀料とは
離檀料とは、墓じまいなどで檀家をやめる(離檀する)ときに、これまでお世話になったお寺へ渡すお礼のことです。国民生活センターも、離檀料を、檀家をやめるときにお寺へのお礼として慣習的に支払うものと説明しています。
檀家は、お寺に葬儀や法要をお願いし、お寺の運営を支える家のことです。墓じまいでお寺の境内墓地からお墓を移す場合、多くは檀家もやめることになるため、離檀料の話が出てきます。
離檀料に法的な支払義務はある?
離檀料を支払う法律上の義務は定められていません。 墓地埋葬法をはじめ、離檀料について定めた法律の規定は見当たりません。性質としてはお布施(お寺への感謝の気持ち)の一種と考えられています。一方で、長年お世話になったお礼としてお包みする慣行が地域やお寺によってあるのも事実です。「払わなくてよい」と割り切るのではなく、金額や内訳に納得できるかを話し合いで確かめる、という姿勢が大切です。
ただし、次の点には注意が必要です。
- 墓地の使用規則や契約に定めがある場合:お寺との間で、墓地を返すときの費用について取り決めをしていることがあります。契約書や使用規則を確認しましょう。
- 離檀料以外の費用:閉眼供養のお布施や、墓石の撤去・区画の原状回復の費用は、離檀料とは別のものです。請求の内訳を確認することが大切です。
国民生活センターも、離檀料には明確な基準がなく、金額に納得できない場合は基本的にお寺と話し合うことになる、としています。「義務がないから払わない」と一方的に伝えるより、内訳を確認しながら話し合う方が、結果的にスムーズに進むことが多いでしょう。
離檀料の相場の目安
離檀料には公的な統計がなく、決まった相場もありません。業者や専門家の解説では、数万〜20万円程度(3万〜20万円、5万〜20万円、10万〜20万円など)を目安とするものが多く見られます(あくまで目安です)。
| 費用の種類 | 目安 | 性質 |
|---|---|---|
| 離檀料 | 数万〜20万円程度 | お世話になったお礼。法的義務なし |
| 閉眼供養のお布施 | 3万〜10万円程度 | 供養へのお礼 |
| 墓石撤去・原状回復 | 1㎡あたり10万〜15万円程度 | 石材店への工事費 |
※いずれも業者・士業の解説による目安で、地域、お寺との関係の深さ、お墓の規模で大きく変わります。
お寺によっては、閉眼供養や撤去費用までまとめて「離檀料」として示すこともあります。金額を聞いたときは、何が含まれているかを確認しましょう。
離檀料とお布施の違い
離檀料は、お布施の一種とされています。違いを整理すると次のとおりです。
- お布施(法要など):葬儀や法要、閉眼供養など、そのときの読経や供養へのお礼
- 離檀料:これまで長く先祖を供養していただいたことへの、まとめてのお礼
どちらも「料金」ではなく「お礼」という位置づけです。そのため、お寺から金額を示されないことも多く、「お気持ちで」と言われて悩む方も少なくありません。その場合は、これまでの年間の護持会費や法要のお布施の額を参考に、無理のない範囲で考えるとよいでしょう。宗派や寺院、地域の慣習によって考え方が異なるため、親族で年長の方に相談するのも一つの方法です。
角を立てない切り出し方と時期
離檀料のトラブルの多くは、金額そのものより「突然言われた」「相談なく決められた」という気持ちのすれ違いから起きます。伝え方と時期を工夫するだけで、話し合いはずっと穏やかになります。
切り出す時期
- 親族の合意ができてから:親族の意見がまとまっていないと、お寺に相談しても話が二転三転します。
- 改葬先の契約前後:方向性が固まり、かつ変更の余地もある時期が話しやすいタイミングです。
- 法要や繁忙期を避ける:お盆、お彼岸、年末年始はお寺が忙しい時期です。落ち着いた時期に、事前に連絡して時間をとってもらいましょう。
伝え方のポイント
- 電話や手紙だけで済ませず、できれば直接伺う:遠方なら、まず手紙で事情を伝えてから訪問の日を相談します。
- 最初に感謝を伝える:「長年、先祖を供養していただきありがとうございました」と、これまでのお礼から入ります。
- 理由を具体的に説明する:「遠方で通えなくなった」「継ぐ子どもがいない」など、やむを得ない事情を正直に伝えます。
- 相談の形で切り出す:「墓じまいを考えていて、ご相談に伺いました」と、決定事項の通告ではなく相談として話します。
- 費用は率直に尋ねる:「お礼はどのようにお包みすればよいでしょうか」と聞くと、角が立ちにくくなります。
遠方に住んでいて直接伺えない場合や、何から書けばよいかわからない場合は、お知らせの手紙の文面を専門家と一緒に整えるのも一つの方法です。
離檀のときにあわせて確認しておくこと
離檀料の話とあわせて、次の点もお寺に確認しておくと、後からの行き違いを防げます。
- 閉眼供養の日程とお布施:遺骨の取り出し前に行うのが一般的です。作法は宗派や寺院により異なります。
- 石材店の指定の有無:境内墓地では、工事できる石材店が決まっていることがあります。
- 埋蔵証明の発行方法と手数料:申請書の欄に記入してもらうか、お寺の様式で発行してもらうかを確認します。
- 過去帳や位牌の扱い:今後の供養をどうするか、改葬先の宗教・宗派の条件とあわせて考えます。
- 原状回復の範囲:区画をどこまで元に戻すか(更地にするか)を確認し、石材店の見積もりに反映します。
費用は親族で分担することも多いため、離檀料を含めた総額の見通しを早めに親族と共有しておくと安心です。
高額な離檀料を求められたとき
国民生活センターには、離檀料をめぐる相談が寄せられています。同センターの「見守り新鮮情報」(2022年6月)では、墓じまいを申し出たところ約300万円を求められた例や、過去帳に名前のある人数をもとに約700万円と言われた例が紹介されています。総務省の資料でも、高額な離檀料を理由に離檀を阻まれている、という相談事例が挙げられています。
こうした場合は、次の順で対応を考えましょう。
- 内訳を確認する:離檀料、供養のお布施、撤去費用など、何の費用かを書面などで確認します。
- 契約書・使用規則を確認する:返還時の費用について定めがあるかを見ます。
- 家族や親族と共有する:一人で判断せず、話し合いには親族に同席してもらいます。
- やりとりを記録する:日時、相手、内容をメモし、書面は保管しておきます。
- 専門の窓口に相談する:下の相談先を利用します。
相談先
| 相談先 | 相談できること | 連絡方法 |
|---|---|---|
| 消費生活センター | 高額請求への対応の助言など | 消費者ホットライン「188」(最寄りの窓口につながる) |
| 弁護士 | お寺との交渉、法的な請求への対応 | 各地の弁護士会、法テラス(相談窓口の案内) |
| 申請先の市区町村 | 埋蔵証明書が出ないときの改葬許可の扱い | 改葬許可の担当窓口 |
報酬を得てお寺との交渉や争いの代理を行えるのは、原則として弁護士です(弁護士法72条)。支払いを条件に埋蔵証明書を出してもらえない場合の手続きについては、「埋蔵証明書がもらえないとき」で解説しています。
当事務所は交渉の代理をしません
櫻井高貴行政書士事務所は、行政書士として離檀料の交渉や、お寺との争いの代理は行いません。支払義務や金額を争う交渉の代理は、法律事件に関する法律事務として弁護士に限られる業務(弁護士法72条)にあたるおそれがあり、行政書士法も行政書士が代理できる範囲からこれを除いているためです。争いになっている、またはなりそうな場合は、弁護士へのご相談をご案内します。
当事務所でお手伝いできるのは、改葬許可の申請書類の作成・提出や、お寺へのお知らせ文・親族への説明文の作成など、手続きと書類の面です。
よくある質問
Q1. 離檀料を払わないと、墓じまいはできませんか? 離檀料の支払いは法律で義務づけられてはいません。ただ、改葬許可にはお寺の埋蔵証明が原則必要になるため、話し合いで円満に進めるのが望ましいでしょう。証明が得られない場合は、代わりの書面で申請できることもあります。
Q2. 離檀料はいつ渡すのが一般的ですか? 閉眼供養の際にお布施とあわせて渡すことが多いようですが、地域や寺院により異なります。お寺に相談のうえで決めるとよいでしょう。
Q3. 「お気持ちで」と言われたら、いくら包めばよいですか? 決まった額はありません。これまでの法要のお布施や護持会費を参考に、無理のない範囲で考えます。目安としては数万〜20万円程度とする解説が多く見られます。
Q4. 公営霊園や民営霊園でも離檀料はかかりますか? 離檀料は、お寺の檀家をやめるときのお礼です。檀家制度のない公営霊園や民営霊園では、通常は発生しません。ただし、返還の手続きや原状回復の費用は別途かかることがあります。
当事務所でできること
当事務所では、手続きと書類の面から墓じまいをサポートしています。石材店・霊園・寺院から紹介料は受け取らず、中立な立場で進めます。
- 墓じまい まるごと段取りプラン:132,000円(4柱まで)(親族への説明文・寺院へのお知らせ文の作成、相見積もりの取りまとめ、日程表、改葬許可の代行など)
- 改葬許可 代行プラン:44,000円(1墓所・遺骨2柱まで)
初回相談(30分。事務所・ご自宅訪問・オンライン・電話)は無料です。料金の詳細は料金表、ご相談は無料相談フォームからどうぞ。
出典
- 熊本市「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」(国民生活センター「見守り新鮮情報」第424号〔2022年6月28日〕を参照) https://www.city.kumamoto.jp/kiji00343105/index.html
- 牛久市掲載 国民生活センター「見守り新鮮情報」第424号「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」 https://www.city.ushiku.lg.jp/data/doc/1659485046_doc_340_0.pdf
- 総務省東北管区行政評価局 別添1「墓じまいに関する情報収集結果」(国民生活センターへの相談事例) https://www.soumu.go.jp/main_content/001053242.pdf
- 神奈川県「『消費者ホットライン』188番をご利用ください」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r7b/cnt/f370207/p440012.html
- 法務省「法テラスの業務」 https://www.moj.go.jp/KANBOU/KOHOSHI/no91/7.html
- 総務省「行政書士制度」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html
- ALSOK「離檀料の相場」(業者の解説。金額は目安) https://www.alsok.co.jp/person/recommend/2324/
- いいお墓「横浜市の墓じまい」(業者の解説。離檀料の目安) https://www.e-ohaka.com/hakajimai_area_list/kanagawa/scity14100/
- ※閉眼供養・墓石撤去の費用は業者・士業の解説による一般的な目安です。
コメント