お墓の場所・ご遺骨の数・改葬先の希望を伺えば、必要な手続きと費用の目安をお伝えできます。まずは30分の無料相談(事務所・ご自宅訪問・オンライン・お電話)をご利用ください。遠方のお墓も郵送で対応します。
この記事の結論
- 遠方のお墓の墓じまいは、改葬先(新しい納骨先)を首都圏で先に決め、改葬許可は郵送で申請すると、現地に行くのは「閉眼供養と遺骨の取り出しの日」の1回にまとめやすくなります。
- 改葬許可の申請先は、今お墓がある市区町村です。郵送で受け付けている自治体は多いものの、様式や郵送の可否は自治体ごとに違うため、最初に確認します。
- 石材店は現地の業者から相見積もりを取り、取り出しの日に閉眼供養・撤去工事・遺骨の受け取りをまとめます。送骨(遺骨を郵送で送る方法)を使う場合は、受け入れ先と運送会社の条件を先に確認してください。
遠方の墓じまいで「現地に何度も行く」理由
地方にあるお墓をしまうとき、負担が大きいのは移動です。何度も現地に行くことになりやすいのは、次のようなことを一つずつ順番に進めてしまうからです。
- お寺や霊園への相談(墓じまいの意向を伝える)
- 石材店の下見と見積もり
- 役所での改葬許可の申請と受け取り
- 閉眼供養(お墓から魂を抜くとされる法要)と遺骨の取り出し
- 撤去工事の完了確認
このうち、役所の手続きと見積もりは郵送・電話・写真のやり取りで済ませられることが多く、本人が現地にいなければならない場面は限られます。段取りを組み替えれば、現地に行くのは原則1回、多くても2回を目標にできます(お寺との関係やお墓の状態によっては、もっと必要になることもあります)。
全体の流れ:首都圏でできることを先に済ませる
遠方の墓じまいは、おおむね次の順番で進めると無駄が少なくなります。
| 順番 | やること | 主にどこで |
|---|---|---|
| 1 | 親族と方針を話し合う | 首都圏(電話・オンライン可) |
| 2 | 改葬先を決め、受入証明をもらう | 首都圏 |
| 3 | お寺・霊園に墓じまいを相談し、埋蔵証明をもらう | 電話・郵送 |
| 4 | 現地の石材店から相見積もりを取る | 電話・写真・郵送 |
| 5 | 改葬許可を郵送で申請し、許可証を受け取る | 郵送 |
| 6 | 閉眼供養・遺骨の取り出し・撤去工事 | 現地(1回) |
| 7 | 改葬先に納骨する | 首都圏 |
ポイントは、2の改葬先を早めに決めることです。理由は次の章で説明します。
改葬先を首都圏で先に決める理由
改葬許可の申請には「受入証明」が要る
改葬(お墓の遺骨をほかの墓地や納骨堂に移すこと)には、市区町村長の許可が必要です(墓地、埋葬等に関する法律5条)。申請には、今の墓地の管理者が書く埋蔵証明と、移す先の受入証明(使用許可証の写しなど)を添えるのが一般的です(同法施行規則2条)。
たとえば長野市の案内では、改葬先が決まっていないと申請できないと明記されています(出典参照)。つまり、改葬先が決まらないと許可が出ず、遺骨の取り出し日も決められません。
公営墓地は募集時期が年1回のことが多い
首都圏の公営の合葬墓・樹林墓地・納骨堂は使用料が比較的抑えられていますが、募集が年1回のところが多く、申込から使用許可まで数か月かかります。
| 改葬先の例 | 募集の時期(令和8年度) |
|---|---|
| 都立霊園(合葬・樹林型合葬) | 6月12日〜7月3日に申込、8月に抽選 |
| 横浜市営(日野こもれび納骨堂・舞岡しぜん墓園) | 9月1日〜30日に申込、11月に抽選 |
| 川崎市営(緑ヶ丘霊園 合葬型など) | 11月1日〜30日に郵送で申込 |
いずれも居住要件があります。たとえば横浜市営は横浜市に3か月以上の住民登録、都立の合葬は都内に3年以上の継続居住、川崎市営は市内に1年以上の住民登録が条件です(出典参照。年度ごとに変わるため最新の募集案内で確認してください)。
公営を候補にするなら、募集時期から逆算して墓じまいの時期を決めるのが現実的です。民間霊園や寺院の永代供養墓であれば随時申し込めることが多く、日程を組みやすくなります。
改葬許可は郵送で申請できるか
申請先は「今お墓がある市区町村」
改葬許可は、遺骨が今ある場所の市区町村長が出します(墓地、埋葬等に関する法律5条2項)。首都圏に住んでいても、申請先はお墓のある地方の役所です。
郵送で受け付けている自治体の例
郵送申請を案内している自治体は多くあります。
- 長野市:申請書類を市民窓口課へ郵送できます。許可証を郵送で受け取る場合は返信用封筒と切手(レターパックも可)を同封。手数料は無料で、発行まで通常1週間ほどとされています。
- いわき市:埋蔵証明と申請書を郵送し、返信用封筒を同封します。戸籍の確認のため交付まで数日かかります。
- 熊谷市:申請書と切手を貼った返信用封筒を同封して郵送できます。
- 横浜市(首都圏のお墓の場合):昼間の電話番号を申請書に書き、返信用封筒を同封すれば郵送で申請できます。改葬許可証の手数料は無料です。
一方、郵送の可否を公式ページに書いていない自治体もあります。様式(遺骨1体につき1枚か、複数体をまとめられるか)、手数料、本人確認書類の要否も違うため、最初に役所へ電話で確認しておくと、書類の出し直しを防げます。
郵送申請で気をつけること
- 申請書の「墓地使用者」と申請者が違う場合は、墓地使用者の承諾書が要ります。
- 火葬の年月日などが分からない項目の書き方(「不詳」と書けるか)は、自治体の案内に従います。
- 書類に不備があると返送され、1か月ほどかかることもあります。取り出し日を決める前に許可証を手元にそろえるのが安全です。
石材店の探し方と相見積もり
まず「指定石材店」があるか確認する
お寺の墓地や霊園によっては、工事をする石材店が決められている(指定石材店)ことがあります。この場合は相見積もりができないこともあるので、最初にお寺・霊園に確認します。
現地の石材店から見積もりを取る
指定がなければ、お墓の近くの石材店に依頼するのが一般的です。首都圏の業者に頼むと、出張費が上乗せされることがあります。見積もりは2〜3社から取ると、金額と工事内容の比較ができます。
遠方の場合、次のものを用意すると現地に行かずに概算を出してもらいやすくなります。
- お墓の全体写真(正面・横・後ろ)と、参道や周囲の写真
- 区画の広さ(使用許可証や管理料の書類に書かれていることがあります)
- 納骨されている遺骨の数
- 重機が入れるか、隣のお墓との間隔
見積もりで確認すること
- 墓石の解体・運搬・処分費、基礎(コンクリート)の撤去、整地まで含まれているか
- 遺骨の取り出し費用が含まれているか、骨壺の交換や洗浄・乾燥は別料金か
- 工事後の写真報告があるか
- 立ち会いなしで工事できるか、追加費用が出るのはどんな場合か
費用の目安は「墓じまいの費用の内訳と総額」で詳しく説明しています。
閉眼供養と遺骨の取り出し日を一日にまとめる
関係者の都合を合わせる
現地に行く回数を減らすには、閉眼供養・遺骨の取り出し・撤去工事の着手を同じ日にまとめるのが効果的です。そのためには次の人の都合を合わせる必要があります。
- お寺(閉眼供養をお願いする場合)
- 石材店(遺骨の取り出しと工事)
- 霊園の管理事務所(立ち会いが必要な場合)
- 施主(あなた)と、参加したい親族
閉眼供養をするかどうか、どのような形で行うかは、宗派や寺院により異なります。お寺に属していない霊園の場合は、僧侶を手配するか、供養を行わずに取り出す方もいます。
取り出し当日に持っていくもの
- 改葬許可証(横浜市などでは取り出しのとき墓地管理者に見せ、その後は改葬先に出すよう案内しています)
- 骨壺を運ぶための風呂敷や箱、緩衝材
- お布施など(お寺にお願いする場合)
古いお墓では、骨壺に水がたまっていたり、遺骨が土に還りかけていたりすることがあります。改葬先によっては乾燥や粉骨(遺骨を細かくすること)が必要な場合もあるので、改葬先の条件を事前に確認し、石材店に洗浄・乾燥を頼むか決めておきます。
送骨という選択肢と注意点
送骨とは
現地で取り出した遺骨を、郵送や宅配で改葬先や自宅へ送る方法です。遠方の墓じまいでは移動の負担を減らせるため、検討する人が増えています。
送骨を使う前に確認すること
- 受け入れ先が送骨を受け付けているか:寺院や霊園によっては、遺骨の持参を条件にしているところがあります。
- 運送会社の取り扱い:日本郵便はゆうパックで扱えないものの一覧を公開していますが、そこに遺骨は挙げられていません。ただし、取り扱えるかどうかや梱包の方法は運送会社に事前に確認してください。宅配便の会社によって扱いが違います。
- 改葬許可証の扱い:許可証は改葬先に出す書類です。遺骨と同じ箱に入れるのか、別に郵送するのかは受け入れ先と決めておきます。
- 梱包と破損対策:骨壺は割れやすいため、二重の箱と緩衝材で固定します。遺骨が湿っている場合は乾燥させてから送ります。
- 親族の気持ち:送骨に抵抗を感じる方もいます。事前に家族・親族に説明しておくと、後のわだかまりを防げます。
なお、自宅に遺骨を安置する場合は、法律上、自宅での保管について特に定めはないとされています(東京都の案内)。いったん自宅に持ち帰り、改葬先が決まってから納骨する方法もあります。ただし、自宅に安置したあとで墓地や納骨堂に納める場合の扱いは自治体によって異なるため、確認してください。
土葬のお墓や、お寺との話し合いが進まない場合
地方のお墓では、土葬のご遺体が眠っていることもあります。この場合は改葬の前に火葬が必要になることがあり、自治体や石材店との調整が増えます(熊谷市の案内)。
また、お寺が埋蔵証明を書いてくれないケースについて、厚生労働省は2026年1月23日付の事務連絡(Q&A)で、墳墓の写真や提出できない経緯を書いた申述書などを代わりの書面の例として示しました(総務省東北管区行政評価局の資料)。どの書面で認めるかは市区町村長が判断します。
離檀料の金額をめぐってお寺と争いになった場合、当事務所は交渉の代理はできません。弁護士にご相談いただくようご案内しています。
よくある質問
Q1. 現地に一度も行かずに墓じまいできますか?
石材店が立ち会いなしの工事に対応し、改葬許可を郵送で申請でき、遺骨を送骨や代理の受け取りで運べれば、現地に行かずに済む場合もあります。ただし、お寺や霊園が施主の立ち会いを求めることもあるため、事前に確認してください。
Q2. 改葬許可の申請はどれくらいで終わりますか?
自治体によりますが、長野市は通常1週間ほど、いわき市は数日かかると案内しています。郵送の往復を含めると2〜3週間を見ておくと安心です。
Q3. 遺骨は飛行機や新幹線で持ち運べますか?
手荷物として運ぶ方は多いですが、扱いは航空会社や交通機関によって違います。利用する会社に事前に確認してください。
Q4. お墓の近くに親族が住んでいれば、その人に任せられますか?
任せられます。申請者が墓地使用者でない場合は、墓地使用者の承諾書が必要です。誰が申請し、誰が当日立ち会うかを決めておくとスムーズです。
当事務所でできること
櫻井高貴行政書士事務所(横浜市青葉区)は、遠方のお墓の改葬許可申請を郵送で全国対応しています。
- 改葬許可 代行プラン(44,000円):書類の取り寄せ・役所への提出・許可証の受け取りまで(1墓所・遺骨2柱まで。3柱目から1柱8,800円)
- 墓じまい まるごと段取りプラン(132,000円・4柱まで):石材店3社の相見積もりの取りまとめ、改葬先候補の比較表、親族への説明文・寺院へのお知らせ文の作成、全体の日程表
- 遠方の同行:44,000円+交通費
石材店・霊園・寺院から紹介料は受け取っていません。料金の詳細は料金表、ご相談は無料相談フォームからどうぞ(初回30分無料)。
出典
- 横浜市「改葬許可申請」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/todokede/koseki-juminhyo/koseki/kaisou.html
- 長野市「改葬許可手続きリーフレット」 https://www.city.nagano.nagano.jp/documents/21748/kaisourifureto.pdf
- いわき市「改葬許可申請について」 https://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000003050/simple/kaisou.pdf
- 熊谷市「改葬許可申請書の記入方法」 https://www.city.kumagaya.lg.jp/shinsei/kaisoukyokasinnsei.files/kaisousetsumei.pdf
- 東京都報道発表「令和8年度 都立霊園の使用者募集」 https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/05/2026052511
- 横浜市「市営墓地・納骨堂の使用者募集」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/saijo/shiyoushaboshu.html
- 横浜市「令和8年度 市営墓地・納骨堂 募集概要」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/saijo/shiyoushaboshu.files/0052_20260703.pdf
- 川崎市「令和8年度 市営墓地 募集案内」 https://www.city.kawasaki.jp/530/cmsfiles/contents/0000170/170165/R8boshu.pdf
- 東京都保健医療局「墓地等に関するよくある質問」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/bochitou/bochitou_faq.html
- 日本郵便「ゆうパックでお取り扱いできないもの(よくあるご質問)」 https://www.post.japanpost.jp/question/6.html
- 総務省東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」(2026年1月30日) https://www.soumu.go.jp/main_content/001084523.pdf
- 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律に係る行政の仕組み」 https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001321227.pdf
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